すきま風

勉強したことのメモとか

雑記

シオラン生誕の災厄を読み終わった。とてもおもしろかった (こなみかん)


ところで、シオランといえば反出生主義者の1人として有名 (らしい)。普通に生活しているとこのような反社会的な思想に触るきっかけはあんまりないのだが、自分は中勘助提婆達多を読んだことがきっかけでこの思想に興味を持っていた。後に、この中にある1挿話と全く同じ論理で、自分を生んだことに対する罪を両親に訴えた裁判が現在インドで行われているのを知って感心したのを覚えている。


閑話休題。反出生主義について自分は今までこの主張の論理を、この世は苦痛のほうが幸福よりも圧倒的に多いし、その質についても圧倒的に苦痛の方が高いので、単純な損得計算上、人は生まれるべきではないし、また生むべきではない、くらいにしか理解していなかったが、つい最近 生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪-を読みすすめて、また違った意見を持ち始めている。ただ、この本は日本語訳がこなれていないのと、アンチ反出生主義者に対しての説得みたいなコンテキストで綴られているので、既に反出生主義に共鳴している自分としてはそれほど深く興味をそそられる物ではなく、読了までかなり時間がかかりそうである ^^;

一方で、先に挙げたシオランの本は切れ味鋭いアフォリズムで新しい発見と深い共感を得ることができた。まあこの本は反出生主義に関する本ではないのだけれども。
次は歴史とユートピアも読んでみようと思う。読書日記終わり。